非常に面白いホームページを見つけました。

加茂整形外科医院

『腰痛や坐骨神経痛の原因が、[椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰椎分離症・腰椎辷り症など脊椎の構造的異常や破綻]にあるとする[損傷モデル]は失敗だった。

このことは、生理学的にも、健常人やその他の統計などからも、臨床経過からも明らかで、もはや疑う余地はない。

[損傷モデルの失敗]は10年ほど前より、いろいろな研究で明らかにされて、もはや常識となりつつある。

我が国では未だ[損傷モデル]で医療が行われ、不必要な検査、間違った説明がされるため、治療に難渋していることがしばしばある。医師の頭の切り替えが是非必用である。』

だそうです。

海外のいろんな論文が紹介されていて、どれも興味深い内容です。(まだちょっとしか読んでないですが・・)

ヘルニアに悩んでる方は、ちょっと長くて難しいかもしれないですが、まずはココを読んで見ると良いです。

これなんかは、ちょうど頚椎ヘルニアの人を見ているので特に興味深かったです。

頸部根性痛(椎間板ヘルニアなどの神経根の圧迫によるもの)の症状を持つ人81人を対象にして無作為に、

1、前方からの椎間板切除および固定術(Cloward法を用いる)、
2、各種理学療法の組み合わせ(3ヵ月間に15セッション)、
3、頸部コルセットの装着(3ヵ月間)である。

の3つの治療法を行って結果を追跡したら、治療後14~16週後では手術した場合が一番効果が出ていたが、1年後に再度確認したところ、この3種類の方法に優位さはなかったという論文の紹介でした。

要するに、手術してもしなくてもたいして差はないよという事ですね。

また、他にもこんな記述がありました。

『切っても切らなくてもいい椎間板ヘルニア患者126人に対し、その予後を比較・検討した。

「1年後の成績としては、”手術グループ”のほうがいい結果が出ました.

しかし、時間が経つにしたがって”非手術(保存)グループ”の成績がよくなって、両者の差がぐっとつまるんです。

そして、4年後、5年後となるとハッキリした違いがなくなってしまうんです。』

もう一つ。これは結構有名な話なので、どこかで効いた事がある人はいるかもしれませんが、一応引用しておきます。

『腰椎のMRI検査で時折見つかる“異常”所見が、どの程度の臨床的意味を持つか明らかではない。

この研究では、腰痛の既往がない20~80歳の成人98人を対象に腰椎MRIを施行し、高率に異常所見が見つかったと報告している。

腰椎MRlで全椎間板の5椎間に椎間板ヘルニアがあるかどうか、以下の所見を基に観察した。

椎間板膨隆、対称性に椎間板が脊椎管内に膨れている。椎間板突出、局所的に非対称性に椎間板が膨れてる。

椎間板脱出、さらに高度に椎間板が突出している。

診断する放射線科医の予断を減らすため、これら98例のMRIに腰椎患者の異常所見のあるMRIを交ぜ合わせた。

その結果、98人中52%に少なくとも1椎間以上の椎間板膨隆が見られ、27%に椎間板突出が、1%に椎間板脱出が見られた。

加齢と共に椎聞板膨隆の頻度は増え、椎間板突出は活発な肉体活動を行っている人に多く見られた。

2椎間以上の異常所見は38%に認められた。その他の異常所見として線維輪欠損14%、椎間関節炎8%、脊椎分離、および脊椎滑りがそれぞれ7%に見られた。
N Engl J Med 1994 Jul 14;331:69-73 』