皆さんは、例えばゴルフ等のスポーツを練習したときに、頑張れば頑張るほど上手く行かないどころかどんどん駄目になっていくというような経験はないですか?

本人にとっては目的達成のために、涙ぐましい努力を行っているのですが、この涙ぐましい努力によって、「間違った状態」が更に強化されて、かえって動きを妨げ、動きが不自然に成ってしまうことがあります。

いわゆるスランプというのもこの辺りに原因がある場合があります。

身体に対して持っているイメージと現実とのギャップが大きければ大きいほど、意識的に行う動作は本能的な動きから離れていきます。

つまり、間違った身体観から一生懸命頭で考えて細かな動きを(間違ってイメージした方向に)補正して行けば行くほど、身体が本来求める動きからずれて行き、身体は壊れていきます。

頑張れば頑張るほど駄目に成っていくというのはこういう理由からなのです。

前回のお話の中で、骨格系だけではなく、これに加えて筋筋膜系の視点から見た場合には更に違うという事を前回書きましたが、これに付いて今回は解説したいと思います。

前回は、骨格系で腕の付け根を見た場合、「腕の付け根は胸鎖間接」というのがテーマでした。

では、筋筋膜系から見た場合にはどこが腕の付け根だと思いますか?

それはなんと、「腰」なのです。

腕にはいろんな筋肉が付着しています。
(この場合の腕とは、前回の話を踏まえて肩甲骨を含んだ腕だと思ってください。)

その筋肉を後ろ側から追いかけてもらうと、腕に付着している筋肉の下端は腰部にまで行っています。

腕を良く使うスポーツなどをされている方は一度、腕の起点が腰にあるというイメージをもって試してみてください。きっと今までとは違った感覚が生じると思います。