前回、オメガ3系の油の効果についてカンタンに解説しましたが、そのことについて様々な研究がなされていますので、それをいくつか紹介しようと思います。
●群馬大学と湘南予防医科学研究所の共同研究では、
アルツハイマーについては健康食品レベルのオメガ3(DHA)を6ヶ月間投与した結果、
5例中5例がやや改善以上の改善、
脳血管性痴呆については13例中9例で改善
という報告もあります。
●また海外の研究では、
300名の未熟児にオメガ3(DHA)の含まれた母乳を加えた群とオメガ3を含まない人工乳を加えた群にわけ、
7~8歳時の知能指数を比較したところ、
オメガ3を含まない人工乳を与えられた群の知能指数が10程度低かったという報告もあります。
(授乳中のお母さんは青魚や亜麻仁油、紫蘇油などをできるだけ多くとって母乳で育てた方が良いってことですね。)
●さらに、油の取り方がまずいと子供にまで影響がでるという研究もあります。
名古屋市立大学の奥山教授によるラットを使った研究では、
2世代にわたって餌で主にオメガ6を与えたラットと、オメガ3(この場合はシソ油)を与えた他の群を比較したところ、
2世代にわたってオメガ6を与えたラットは他の郡に対して有意に学習能が低かったという報告がされています。
(しかし、親にオメガ3を与えていて子にオメガ6を与えた場合にはそれほど有意な差はなく、また、親にオメガ6を与えていても離乳後にオメガ3に餌を変換したケースでは回復したそうです。)
さらに、ADHDや自閉症やうつ病、アトピー、さらには糖尿病の進行の抑制などにも効果があるという報告もあります。
さて、では普段このオメガ3系の油、どうやって取ったら良いのでしょうか?
まず第一に魚などから取ること(熱に弱いので長時間煮込む等ですぐに酸化してしまうので注意!)、
一番良いのはお刺身です。
そして最もオメガ3を多く含んだ植物油の亜麻仁油やエゴマ油を取る
(これも熱に弱いので加熱調理せずドレッシングなどにするかそのまま生で飲む)ということが有効だと言われています。
また、最近では薬局等でサプリになったもの(亜麻仁油・シソ油・DHA等)も売られているのでそういうものから取るということも良いかもしれません。
必要摂取量は1日2グラム程度です。大トロ3~4切れ位?(^^)