前回まで、油を摂取するなら普段なかなか取れないオメガ3系をというお話をしましたが、今回はそれ以外の油についてのお話をしようと思います。
「トランス脂肪酸」
トランス脂肪酸というのは不飽和脂肪酸に人工的に水素を添加して作った油です。
非常に安定した構造の油で、悪くなりにくく長持ちするという特徴があるので様々なところで使われています。
そして、体内に入ると様々な弊害があることがわかっています。
いくつか上げると、
・心臓病や糖尿病のリスクが高まる
・動脈硬化リスクが高まる
・発がん性
・アトピー等の様々なアレルギー
・ADHD、情緒不安定、うつ、集中障害など
・免疫機能の低下
・痴呆やアルツハイマー等のリスクが高まる
まだまだありますが、きりが無いのでこの位にしておきます。
このような問題だらけのトランス脂肪酸なので、
“日本以外の”先進国では様々な規制がありますが、日本ではなぜか放置されているだけでなく、厚労省のお墨付きである「トクホ」の食品にまで多く入っています。
自分や家族の健康を守るためには(現在ではそれをゼロにするのは不可能でしょうから)できるだけトランス脂肪酸の多く入った食品を控える努力は必要だと思います。
では、どのようなところで使われているのでしょうか?
主にマーガリンやケーキやパンの材料になるショートニングに多く含まれています。
また、スーパーやコンビニやファーストフード等の揚げ物のほとんどは油の交換頻度を下げることが出来る利点からこのトランス脂肪酸の多い油を使っていることが多いです。
なぜトランス脂肪酸がダメなのか?
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸です。
それ以外の普通の不飽和脂肪酸は、詳しくはシス型の脂肪酸と言いますが、
トランス脂肪酸はトランス型の脂肪酸という意味になります。
これがシス型の脂肪酸
これがトランス型の脂肪酸ですね。
(画像はウィキペディアから借りました。)
どう違うかというと、
見たまんまですが、シス型が途中で曲がってますよね?
で、トランス型はほとんど真っすぐです。
細胞膜は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が2つで対になったもので構成されていますが、
飽和脂肪酸は真っすぐです。
真っすぐな飽和脂肪酸と、シス型の不飽和脂肪酸が対になって細胞膜を構成していると、細胞膜間に隙間が大きくなります。
ところが、飽和脂肪酸とトランス型の脂肪酸が対になると、両方真っすぐなので、細胞膜に隙間が無くなるんですね。
そうするとどうなるか?
細胞膜自体の柔軟性が失われるんです。
細胞膜の柔軟性がないということはどういう事かというと、細胞そのものが硬くなるってことなんです!
細胞自体が硬いとどうなるのか?
例えば血液も細胞出できていますから、柔軟性のない血液は当然詰まりやすくなります。
また、脳細胞も細胞ですから、柔軟性がなかったら、枝を伸ばして色んな神経細胞同士が繋がって働くのに、この枝を伸ばす能力が落ちてしまいます。
結果として、知能も落ちますし、思考力も落ちますし、運動能力も落ちますし、脳細胞が行っている全ての働きが低下してしまうんです。
このような感じで、カラダの全てに対してマイナスな働きをするのがこのトランス脂肪酸なんですね。
極力取らないように気をつける必要があります!
気を付けましょうね。