こんにちは!
GP法のTenです。
今日は、うつ病をテーマに、話をしていきたいと思います。
うつ病の患者の数って年々増えてるんですよね。
これは何故なのか?
っていう理由を説明するのに、結構衝撃的な本があります。
この本、2010年に出た本なので、結構前の本なんですが、
結構前からこの話したかったんですが、本が行方不明で出来なかったのが、
ようやく本棚を買ってしまってあった本を整理したら出てきたので、
今日はこの本から、
うつ病がなんで年々増えてるのか?って話をしてみたいと思います
うつ病患者の数が、なんで年々増えてるのか?
皆さん、なんでだと思いますか?
まずはこのグラフを見てほしいんですが、
これはうつ病患者数の推移ですが、
1999年を堺に、増えてるんですね。
そして、たった6年間で倍以上に増えてるんです。
この理由としては、バブルの崩壊によって、失業者が増えたりして、それによってうつ病患者が増えたんじゃないの?って言うのもあるんですが、
それに対しては、実は、自殺者の統計があって、
そして、たった6年間で倍以上に増えてるんです。
この理由としては、バブルの崩壊によって、失業者が増えたりして、それによってうつ病患者が増えたんじゃないの?って言うのもあるんですが、
それに対しては、実は、自殺者の統計があって、
これを見ると、その前の年、98年に自殺者の数はグンとふえてるんですね。
97年の後半に山一證券の破綻とか、北海道拓殖銀行の破綻があったり、日本の経済が一気に悪くなって、失業率が上がってっていうタイミングで、自殺者って結構増えていて、
自殺者って、失業率と結構きれいにリンクするらしいんですが、このグラフでもそんな感じですよね。
そして、それとうつ病がリンクするんですあれば、98年にうつ病患者も増えてないとおかしいと思いませんか?
ところが、98年にはうつ病患者って増えてないんですよね。
実は、うつ病患者が急に増えだしたのって、1999年なんです。
じゃあ、この1999年には何があったのか?
1999年といえば、恐怖の大王が空からやってくるって話が有名ですが、もちろんそんなのじゃなくて、
何があったかっていうと、実は、日本で初めてSSRIが発売された年なんですね。
このグラフを見てほしいんですが、これは、日本の抗うつ薬の売上の推移なんですが、
1998年までは、抗うつ薬の売上げって横ばいだったんですね、
ところが、1999年から、年々売上が上がってるんですね。
普通だったら、効果の高い新薬が発売されたら、患者の数って減りそうなもんですが、
実はそうじゃないんです。
そして、この本では、この現象っていうのは日本だけで起きたわけじゃないって言ってるんですね。
日本に先駆けて売り出された他の先進国でも、多くの国で、同じようにSSRIが発売されてから、うつ病患者が爆発的に増えるという現象が起きてるっていうんですね。
例えば、これが、イギリスの抗うつ薬の処方量
これは、人口1,000人あたりで、何人分の抗うつ薬が処方されているかという数字なんですが、
その人数分、抗うつ薬を飲む人がいるってことです。
失業率と合わせて書かれてますが、失業率を見ると、失業率がぐっと上がる所で、景気が悪くなってるってことですが、
これとはリンクしてないってことがわかりますよね。
それとは関係なく、SSRIが発売された後に、ぐんぐん数字が増えてるんですね。
このグラフでは87年にSSRIが発売されて、ちょっと遅れて処方量が増えてるんだけど、
これは、製薬会社が90年代に入ってから、積極的にプロモーション活動を始めたからなんですね。
そしてこれが、アイスランドでの抗うつ薬の処方量の変化です。
これも同じように、SSRIが発売された後に、ドンドン増えてますよね。
これも、やっぱりSSRIが発売された後に、処方量がぐんぐん増えてます。
これは、1993年と1998年の、抗うつ薬の処方量を比較したものですが、
日本以外の国では、1980年代後半から90年代初頭にSSRIが導入されたんですが、
もう、ものすごく増えてるってことがこれからも分かりますよね。
じゃあなんでそんな事が起きるのかって言うと、
1つ目の理由は、
薬価、薬の値段が高いからなんですね。
つまり、製薬会社が儲かるから。
まあ、製薬会社の悪口を言いたいわけじゃないんですが、
この本に書いてあるのをそのまま読むと、
「製薬会社にとっては、高血圧治療薬や糖尿病治療薬のような、罹患率が高く、かつ、長期的な服用が必要な薬が収益の柱となる。」
って言ってるんですね。
まあ、ほんとにそれが必要な薬なら、そういう多くの人に必要になる薬を作るのってすごく必要なことですが、
これだけ見ると、それってどうなの?って感じですよね。
ようするに、SSRIは薬の値段が高くて、
しかも、うつ病っていうのは、誰でもなる可能性があって、
しかも、何度でもなってくれる、
製薬会社にとってはとっても魅力的な病気だからってことです。
でも、潜在的な需要があったとしても、その潜在的な顧客が、必要性に気が付かなかったら意味がないですよね?
だから、製薬会社って何をやったかって言うと、
テレビで大々的に宣伝をしたんですね。
もしかしたら覚えてる人もいるかも知れませんが、一時期、
テレビで抗うつ薬の啓蒙のための、
製薬会社のCMってしょっちゅうやってたんです。
最近でも、色んな薬の啓蒙活動のCMってよくやってますよね。
うつ病のは最近はあまり見ませんが、
脱毛症とか、EDとか、高コレステロール血症とか、高血圧とか、
色んなのやってますよね、
「こんな症状があったら、専門のお医者さんに相談してみよう!」
みたいなCM。
ああいうやつですよね。
ああやって、それまでは意識してないから、病院に行こうとも思わなかったような人にも、ジワジワと、洗脳して、
「ああ、そういう時は病院に行くもんなんだ」って、意識を植え付けていくんですね。
もちろんテレビのCMだけじゃなくて、製薬会社の御用学者やら御用学会やらが、
本を出したり、テレビ番組に出演したり、講演活動をしたり、
色んなところで啓蒙活動をして、
「もしかしたら、ウツかも?」って人を、ガンガン病院に送り込んだんですね。
そして、もちろん病院には製薬会社はガンガン営業かけてますから、
ガンガン処方しますよね。
そして、出す必要のない患者にまでガンガン処方したんですね。
そして、うつ病患者の数は、たった6年で、倍以上にまでふえて、
その後もそのままドンドン増え続けている、そんな状況ってことです。
だって、SSRI飲んだって、そもそもただの対症療法なんだから、治んないし、
新しい患者はドンドンやってくるし、
しかも、治らないから、ず~っと飲み続けてくれる、
もうウハウハだよね。
ちなみに、抗うつ薬の大々的な宣伝で最初に大成功を収めたのが、
1988年にアメリカで発売されたプロザックで、
テレビとかラジオとか雑誌とか、あらゆるメディアを使って大々的にキャンペーンをして大成功を収めたんですね、
そして、他の製薬会社がそれに続いて、アメリカに追従して、他の国でも大々的なキャンペーンをやって、大成功したんです。
色んな国でどんなキャンペーンをやって、どんな結果だったのかとか、そういう細かな話はこの本に結構詳細が書かれてるので、興味がある人は読んでみると良いと思いますが、
最初の方に出したこのグラフで、イギリスの抗うつ薬の処方量が、
SSRIの発売開始よりもちょっと遅れて、処方量がガンガン増えだしたのは、ちょうど、このキャンペーンを大々的にやったタイミングから増えだしたってことなんですね。
そして、他の国よりも10年近く遅れて発売が開始された日本では、
そういった、ほかの色んな国での成功例をもとに、
最初っからロケットスタートで、ガンガンプロモーション活動をやって、
売出し開始直後から、うつ病患者がガンガン増えて、最初の6年で倍にまで増やすことに成功したってことなんですね。
ついでに、SSRIがどのくらい効果があるのかっていう話もあって、
それは、このグラフを見てもらうとわかりますが、
抗うつ薬を飲んだ群と、プラセボ、つまり偽薬を飲んだ群で比べると、
うつ病の回復度はちょっとしか変わらないんですね。
つまり、ちょっとは効くけど、プラセボと大して変わんない程度に効く薬ですよってことです。
そして、日本でのうつ病患者のうつ病の継続期間っていうのも研究されていて、
このグラフを見てもらうと、
うつ病の人の約50%は、3ヶ月で治って、
2年経ったら、85%程度の人は、回復するんですね。
これは2000年に出されたものなので、まだSSRIが普及する前のデータになるので、SSRIなんて使わなくても、85%程度の人は回復しちゃうってことですよね。
ただ、SSRIも全否定するわけじゃなくて、効果はあるにはあるし、使い方によっては効果を出しやすいって場面もあって、
この本の中でも、中程度以上のうつ病の急性期の治療には有効性が評価されてるって話も出てます。
全部が全部ダメってわけじゃなくて使い方ってことですよね。
アメリカやイギリスでは、軽症のウツには、
SSRIは有用性が認められないという理由から、
そもそも、いきなりSSRIを使用するのは推奨していなくて、
その重症度によって、使うか使わないかを分けている、そんなガイドラインになってるみたいですが、
日本では、何でもかんでも、もう、とりあえずビールぐらいの勢いで、
とりあえずSSRIをだすような、アホなお医者さんが多すぎるってだけで、
全部が全部ダメってわけじゃないので、そこは勘違いしないでくださいね。
ということで、1999年以降、日本でうつ病患者がなんで劇的に増えたのか?
その答えは、不景気だからとかそんな話ではなくて、
製薬会社の主導で、ガンガンプロモーション活動をやったから、
昔だったら病院に行かなかったような人も行くようになって、
昔だったら薬を出さなくても、ほっといても治ってたような人にまで、薬を処方するようになって、
それによって、うつ病患者がガンガン増えた、そういう理由だったってことですね。
もっと詳しく知りたい人は、この本を読んでみて下さい。
詳しくはyoutubeで解説してますので、こちらを見てくださいね。
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