姿勢が悪いと誰かから指摘されて気にしてる人って多いですね。

実際当院にこられる方でも姿勢を気にして無理に姿勢を正そうとしている人って多いです。

で、そのようのな人に限って体の調子が悪かったり腰が痛いとか肩こりがヒドイとか・・・。

そのような場合よくあるのは、実は、その原因はその姿勢が悪いと思い込んで”間違った良い姿勢”を一生懸命とろうとしていることが原因になってる場合も多いんですよ!!

その様な人には、まず、

「その姿勢を正そうと思うことをやめてください」

って言うんですけどね。

たとえば背中や胸や肩まわりの筋肉の力をすべて抜いた状態で自然に立ったときの状態があったとしますよね。

これがその人本来のニュートラルな姿勢になるわけなんですが、

子供のころから学校などで教わってきた(洗脳されてきた)いわゆる”よい姿勢”って言うのは、このニュートラルな姿勢から外れていろんなところを緊張させて無理に作り上げる姿勢なんです。

だって、たとえば「胸を張れ!」って言われると、努力しないと出来ないでしょ?
(あまりにも普通に常にやってるので努力してそういう姿勢をとっているということにすら気がつかなくなっている人も沢山いますけどね。)

努力してるって事はどこかの筋肉を無理に緊張させてがんばってるって事なんですよ。

そりゃあ、その無理をしている筋肉に負担が来てもしょうがない。

それは、そのような姿勢を無理にとろうとしているあなた自身が自分で作り上げている緊張なんですよね。

肩もこるわけです。

ちょっと想像してほしいんですが、日本の伝統的なもの、たとえば日本舞踊でもよいし、能や狂言でもよいし、歌舞伎でもよいです。

ちょうど今やってることですし相撲を思い浮かべてみてもらってもよいです。

そのような伝統的なものをやってる人があなたが想像しているように胸をはってますか?

もうちょっと違うジャンルで言うと、たとえば柔道や空手、K1とかでもよいです。その様な競技に出る選手は試合中に胸を張ってますか?

どれ一つとっても胸を張って背筋を(無理に)伸ばしてがんばってる人はいませんよね。

もしいたら、芸能や競技であればそれは間違いなく下手な人だし弱い人です。

さらに言うと、初めてたつことを覚えた赤ちゃんを想像して下さい。

赤ちゃんって胸張ってます?

当然張ってないですよね?

つまり、

我々人類は、長い歴史の中で我々現代人が子供のころから学校などで”よい姿勢”だとして教わってきたような姿勢をとる事は普通は無かったって事なんです。

あのような姿勢は動きを奪って服従させるための姿勢なんです。

服従させるという意味では兵隊さんの姿勢と言い換えてもよいかもしれませんね。

実際、あのような姿勢をとらせる教練が日本に入ってきたのは欧州式の軍隊教練が最初ですから。

その様な、そもそも間違った姿勢を一生懸命やった結果、症状が悪くなっている人は沢山います。

無駄なことはやめましょうね。

たとえヒドイ猫背だって意味があるんです。

その姿勢をカラダが取らせているって事は、それが今のその人にとって一番無駄の無い、負担の無いよい姿勢って事ですから。

それを無理をして正そうとしても無理がたまってかえって悪くなるのが関の山。

それよりも、何故そうなるの?って事を考えてその原因を変えていこうとしない限り問題は複雑化するだけです。

「姿勢が悪い」と言われたんなら、

「何故、姿勢が悪いんだろう?」

「何故、私のカラダは(見た目が)悪い姿勢をとらせようとしているんだろう?」

って考えて、それを変えていかないと、間違った方向に行っちゃいますよ!