こんにちは!
GP法のTenです。

今日は、「皮膚の刺激でココロもカラダも癒やす「平田式心療法」」というテーマで、話をしていきたいと思います。

前回、ジャリコットテストを使って、ウツとかの心の問題を評価するっていう海外の研究を紹介したんですが、

その時に、平田式の熱鍼療法となんだか似てるよねって話をしたんですが、
それでちょっと思い出したので、

今回はちょっとマニアックな内容になりますが、この話をしてみようかなと思います。

その昔、大正から明治にかけて、平田内蔵吉って言う人がいたんですが、

この人がやっていた、皇法医学っていうのがあって、
これは、易をベースにおいて、カラダへの施術だけじゃなくて、
温熱とか、刺激療法とか、光線とか、整体とか、指圧とか、漢方とか、さらには、易で占ってみたり、
家相だったり、姓名判断だったり、
ホントにあらゆるものを取り込んで、
人の全体性っていうか、心と体だけじゃなくて、その人そのもの、人間そのものをより良くしていこうみたいな、結構壮大なものなんですが、

家庭向けに、熱鍼療法っていうのもやってたんですね。

平田内蔵吉は、元々はたしか大阪大学だったと思いますが、哲学科を出て、
その後に、思う所あって、京都大学の医学部に入り直して、医学の勉強をして、

その京都大学の医学部にいる間に、
自分の研究していた、この熱鍼療法が、主婦の友みたいな婦人雑誌で紹介されて、
それで、大ブームを巻き起こして、

それが、当時の封建的な医学部の人たちの目に止まって、
大学卒業の数日前に、退学したみたいな人なんですが、

ちゃんと医学も学んで、その上で、古今東西の民間療法だったり伝統医学を徹底的に学んで、
それを独自の方法で体系立てたって人で、

それなりに歴史のある整体だったり療術には、ほとんどこの平田内蔵吉の影響がないものはないんじゃないかってくらい色々と影響を与えている、そんな人なんですね。

ここに、こんな本があるんですが、
「平田式心療法」って言う本で、

この中で、熱鍼療法について詳しく解説されてますが、
他にも平田内蔵吉の本っていっぱい有って、

例えばこの全集とか、
これとか・・・、

この本もなかなかヤバい本で、
ちょっと難しい本ですが、メチャメチャスゴいこと書いてあって、
こんどまた機会があったらこの本のことも紹介しようかなって思いますが、

今回は、このいっぱいある本の中から、平田式の熱鍼療法と、その原理や考え方っていうのを簡単に紹介してみようかなと思います

熱鍼療法なので、熱をもった鍼を使う療法ってことですが、

なんで、熱鍼を使うのに、心療法なんていうのか?っていうと、

体だけじゃなくて、心の問題にも、これで対応出来るよってことを表してるんですが、

これはまず、内臓と体の表面の皮膚が関連してるよっていうので、

内臓体表反射っていうのがありますが、

内臓に問題があると、
それに関連する皮膚が過敏になって、痛みが現れる、そういうものですが、

前回解説した、ジャリコットテストと一緒ですよね。

で、平田内蔵吉の説明をそのまま引用すると、

人の体には、生物電気っていうのがあって、
すべての人間の神経や筋肉の、興奮が起こっているところにはマイナス(-)の電位が高まって、
その反対の部分にはプラス(+)の電位が集まる

だから、

内臓に疾患があって内臓にマイナスの電位が高まっていれば、

それに対応する体の表面の知覚過敏帯にはプラスの電位が高まっていて、

その、体表の知覚過敏帯を刺激する事で、

そこにマイナスの電位が集まって来て、

プラスとマイナスで中和されて、

逆に、身体内部の疾病部位のマイナス電位もそれに応じて中和されて、

プラスマイナスのバランスが取れることによって、

疾病による興奮はそこで沈静されて、

その時蓄積された疾病のための排せき物、中毒物質は吐出するか、汗、涙その他となって出されるか、
小便、大便となって下るか、
あるいはそのまま中和されるかして疾病は消滅していく。

っていうんですね。

つまり、内臓の疾患とかは、体の表面のそれに対応するところを刺激することで、

体内の電気的なバランスがとれて、中和されて、良くなっていくよ、

そういうことですよね。

そして、心の問題に関しては、

体のある場所に疾病が起こると、心のそれに対応した働きが鈍って、
逆に心が乱れると、それに相応した場所に疾病が起きやすい隙が生じる。

そして、
疾病が生じた場合にはそれに対応した肉体表面のある箇所に知覚過敏点が生じる、

だから、皮膚に、これを害せずして強烈な刺激を適当な場所に与えることで、

プラスの電位がマイナスに転換して、同時に疾患部のマイナスの電位がプラスに転換して、

感情の異常が消されて、反射的に心の変化も消失する、

そんなことを言ってるんですね。

さらに、他のところではこんな事も言ってて、

説教や哲学によって精神上の欠点を治療する事は極めて困難であり、
むしろ、感情や意志や理性の弱点が感覚に反応を現したところを捉えて、
そこに刺激を与えれば、反射的に、知情意の整正が完成する。

とか、

病める心には傷つけず、悩める苦には触れず、ただその苦や悩の反応のあるところを黙々と刺激、心療するとき、そこにかえって傷つける心が自然に回復する

とかって言ってるんですね。

なんか前回話をしたジャリコットテストとメンタルの話とスゴく似てる気がしますよね。

こんなことを、昭和の最初の頃に言って、しかも、
それを体系立てて本まで出して伝えてたってスゴいと思います。

そして、これのポイントは、対応する体の表面の皮膚に反応が出るから、
その反応が出ている「適切な場所」に、刺激を入れるってことがポイントですね。

じゃあ、どんな場所に刺激を入れるのか?

これは、平田内蔵吉が独自に発見した、
平田氏帯を使うんですね。

平田氏帯っていうのは、
縦のラインと、帯状にある横のラインがあって、

縦のラインは、まあ、経絡ですよね、12の経絡があって、

そして、横には、帯状に、12に分割して、
胴体を12分割して、
腕も12分割、
顔も12分割、
足も12分割って感じで、
それぞれに、色んな臓器を当てはめて、
それぞれが帯状に対応する、そういうもので、

12の帯状反応はそれぞれ、
1)気管支
2)肺
3)心臓
4)肝臓
5)胆嚢
6)脾臓
7)胃
8)腎臓
9)大腸
10)小腸
11)膀胱
12)生殖器

に対応していて、

そして、縦のラインは経絡ですが、平田式では経状反応線って言う言い方をして、

それぞれ、その働きに意味を持たせていて、

肺経:血液新陳代謝反応線
大腸経:内臓挙上作用反応線
胃経:内臓拡張作用反応線
脾経:栄養関係内分泌作用反応線
心経:血液循環作用反応線
小腸経:内臓の脊椎への牽引作用反応線
膀胱経:内臓収縮作用反応線
腎経:生殖関係の内分泌作用反応線
心包経:血液新陳代謝と血液循環作用の調節反応線
三焦:内臓の挙上と牽引両作用の調節線
胆経:内臓の拡張と収縮作用の調節線
肝経:生殖と栄養に関する内分泌作用の調整線

って言うふうに対応していて、

この縦のラインと、横のラインで、ポイントを見つけて、そこに刺激を入れていくっていうのが基本になりますが、

この縦のラインと横のラインが交わる所が、結構特効穴的な意味合いがあって、

例えば、ぎっくり腰の必殺技で使う場所なんてまさにそうで、
皇法医学の先生から昔コソッと習った場所ですし、

他にも、覚えておくと使える場所っていっぱいあるので、色々工夫してみると面白いですよね。

あとは、簡易的な方法としては、

問題の場所っていうのは、皮膚が過敏になってるので、
アルコールをガーゼとかに染み込ませて、皮膚にアルコールをつけると、

過敏になってるところが、皮膚が赤くなるので、
そこを刺激するなんて方法もあるし、

逆に、アルコールで皮膚が赤くなる場所をみて、それが、この縦のラインと横のラインのどこにあるのか?
っていうので、どの臓器に問題が出ているのかを見るなんてこともしてたみたいですね。

そして、刺激の方法ですが、

元々は、こんな形のものに、中にアルコールを染み込ませた綿を入れて、それに火をつけて、
熱を持ったこの尖った先っちょで、皮膚に温熱と痛覚の刺激を入れていく、

そんな療法で、

今は、電気式でこの部分に熱を持たせるような装置があって、これで、皮膚をトントン刺激していく、そんな方法です。

療術の施術として、こういう機械を使って施術してる人も時々いますよね。

これを使おうと思うと、服を脱いでもらわないといけないし、
僕の普段の施術のスタイルと合わないので今は使ってませんが、
メチャメチャ良いものです。

平田内蔵吉の皇法医学の考え方って、僕が最初に施術を学んだのが皇法医学なので、考え方のベースになってたり、
色んなところに皇法医学のエッセンスが実は入ってますが、

スゴく面白いし良いものだと思ってます。

興味のある人は色々と研究してみるのも面白いかなと思います。

詳しくはyoutubeで解説してますので、こちらを見てくださいね。