さて、脳のリソースを増やす方法を理解するというテーマで今まで色々と解説してきました。

前々回までは「潜在意識は否定語を理解しない」ということや「肯定的意図」について、

前回から「ビリーフ」について書いています。

ビリーフというのは、過去の経験などから「こうしなければいけない」「こうあるべきだ」と感じているものの事です。

前回、いわゆる「トラウマ」と呼ばれるものもこのビリーフから作られると書きましたが、このことについて今回書いてみます。

例えば子供の頃に勉強が出来て、テストの点が良いと褒められるという経験から

「自分はテストで良い点を取らないと親から(大人から)認めてもらえない、常に完璧でないと自分は親から認められないんだ」

というビリーフをもって育ってしまったとしましょう。

学生時代位まではこのビリーフを持っているおかげでモチベーションも上がり一生懸命勉強したりして、周りからも非常に優秀だと認められたりしてメリットもあったかも知れません。

ですが、社会に出てからも

「ありのままの自分ではなく優秀で人前で絶対に間違いを犯さない自分でい続けなければ認めてもらえない」

というビリーフを持ってしまったのに、社会に出れば人前で間違いを犯すことも当然あります。

そうすると、間違いを犯してしまう自分には価値がないと自分で自分を縛り付けてしまって必要以上に落ち込んだり、さらには病気になってしまったり引きこもりになってしまったり・・・。

実際にこういうケースは非常に多いそうです。

このように昔は役に立っていたけど今では既に必要なくなったビリーフが知らない間に自分の感情や行動を縛り付けていることがあります。

ですが、それがこの子供の頃にもってしまったビリーフから来ているということに気が付かないと、どんなに仕事を変わってもどんな治療を受けても原因が解決されないとそこから自由になることは出来なかったりするんです。

このビリーフによって自分にブレーキをかけられてしまうんですね。

これがトラウマの正体の一つです。

その中でも結構強力なトラウマとなってしまうのが、

「○○してはいけない」

というビリーフです。

制限のビリーフという意味で

「リミッティングビリーフ」

という言い方をしますが、これは非常に強力に自分に感情や行動にブレーキをかけてしまうものの一つです。

「怒ってはいけない」、
「泣いてはいけない」、
「欲しがってはいけない」、
「成し遂げてはいけない」・・・。

こういった「○○してはいけない」というビリーフが、自分の行動を規制して自分のリソースを減らしている原因になってしまいます。

ようやく以前解説した「潜在意識は否定語を理解しない」というところと繋がって来ましたね。

自分のリソースを減らしている大きな要因の一つ、必要なくなったリミッティングビリーフから自由になることがリソースを増やす手っ取り早い方法です。

次回からこのことについてまとめていきたいと思います。