さて、脳のリソースを増やす方法を理解するというテーマで今まで色々と解説してきました。

前回まで「潜在意識は否定語を理解しない」ということや「肯定的意図」について解説しましたが、

今回からは「ビリーフ」について書いていこうと思います。

さて、「ビリーフ」、日本語に直訳すると「信念」って意味です。

言い換えると「思い込み」の事。

人は誰でも「ビリーフ」を持っています。

ビリーフというのは、過去の経験などから

「こうしなければいけない」
「こうあるべきだ」

と感じているものの事です。

例えば、

「男は強くあるべきだ」とか、

「女は優しくあるべきだ」とか、

「子どもは親の言うことに従わなければならない」とか、

「男の子は人前で泣いてはいけない」とか・・・、

社会通念だったり常識と言われるようなこともこのビリーフですし、

その人しか持ってないその人にとっての思い込みもビリーフです。

人は生まれてから育つ間にいろんな場面でこのビリーフを獲得して育ってきます。

その多くは幼少期の両親や家族との関わりの中で、そして小学校位までの学校等での大人や友達との関わりの中でビリーフというものが形作られていきます。

人間の思考や行動というのは非常に複雑なのでパターン化したプログラムを作ることで省エネしてるんですが、その時にこのビリーフシステムが働いて過去に上手く行った行動パターンというのを沢山自分の中に創り上げていくんです。

前回解説した「肯定的意図」からビリーフというのが創り上げられていくんですね。

ところが、まだ自我も発達していない子供の頃に多くの深いレベルのビリーフは作られてしまって、しかもその「肯定的意図」は本人の記憶の中にすら残ってないレベルでビリーフだけが残ってしまっていたりします。

理性的に考えればちょっとおかしいよねって事でも実はこのビリーフによって行動が規定されてしまっていて、自動的にパターン化されてしまっているせいということも多くあります。

このビリーフというものは、人が社会生活をおくる中で非常に役立つものも多いのですが、

逆にそのビリーフがあることによってそれにしばられて自由に動けなくなってしまうということもあります。

そして、いわゆる「トラウマ」と呼ばれるものもこのビリーフから作られます。

次回はこのあたりについて書いてみようと思います。