こんにちは!
GP法のTenです。

さて、今日は、中鎖脂肪酸について話してみようと思うんですが、

先日、EPAの話をした時に、こんな質問があったんです。

「飽和脂肪酸はカラダに悪いのでしょうか?
少し前からココナッツオイルが良いと効くのですが、何で良いのかよく分かりません。」

って質問があったんですね。

ココナッツイオルって、中鎖脂肪酸が多く含まれることで有名ですが、

この中鎖脂肪酸、同じ飽和脂肪酸の中でも、ちょっと特殊な位置づけになるので、

そのあたりの話と、なんで中鎖脂肪酸が体に良いとかダイエットに良いとか言われるのか?

そんな話をしてみようと思います

中鎖脂肪酸、英語でいうと、ミディアム・チェーン・トリグリセリド、
その頭文字をとって、MCTオイルなんて言ったりもしますが、

脂肪酸って、炭素がずーっとつながってる構造をしてますが、

この炭素が連なってるチェーンの長さが、普通の油は14以上つながってるんですね、

こういうのを、長鎖脂肪酸とも言うんですが、

これに比べて、この炭素の連なりが12以下と短いものを、中鎖脂肪酸って言います。

単純に言うと、分子構造が小さいんですね。

そして、通常の脂肪って、カラダの中に入った時に、
十二指腸で胆汁酸とかと混じって、ミセル化して、
腸からリンパ管に取り込まれて、乳び、カイロミクロンって言うものになって、
リンパ管を通って、静脈に入るというルートで、吸収されるんですが、

ところが、この中鎖脂肪酸っていうのは、

この炭素の連なりが短いので、

水にも馴染みやすくて、そのおかげで、腸から吸収されるルートが違うんですね。

中鎖脂肪酸は、腸から門脈を通って、肝臓にいくという、

普通のタンパク質とか糖質とかと同じルートで吸収されるんですね。

そして、消化酵素とかがなくとも、そのまま吸収されるので、非常に素早く吸収されます。

通常の油と比べて、4倍の吸収しやすいなんて言われてます。

そして、直接肝臓で代謝されて、エネルギーに変換されるか、ケトンに変換されるんですね。

そして、ケトンは血液に乗って全身を巡って、

特に脳では、脳のエネルギー源として働きます。

以前は、脳のエネルギー源は、ブドウ糖だけだと言われてましたが、このケトンでも脳って働けるんですね。

これが、通常の油だと、このカイロミクロンが、全身の組織に運ばれて、そこで必要に応じてエネルギーとして使われて、

その時に余ったものが、脂肪として蓄積されることになりますが、

中鎖脂肪酸は、このようなルートなので、脂肪になりにくいんですね。

さらに、このMCTオイルって、通常の脂肪よりもカロリーが10%ほど低く、
しかも、満腹感を得やすく、エネルギーとしてすぐ利用されるので、脂肪の燃焼を増加させる効果もあることが分かっています。

実際に、体脂肪率が高い人に、このMCTオイルを取らせることで、体脂肪が減る効果も確認されています。

さらに、満腹感を得やすいことから、血糖値を安定させる効果もあります。

そして、その効率の良さから、エネルギーを必要とする病気の人とか、高齢者の介護の場面での、栄養状態の改善にも、このMCTっていうのは長く利用されてきていて、

安全性もしっかりあることが確認されてる脂肪でもあります。

最近では、脳の栄養として、このMCTオイルを利用することが注目されていて、

認知症やアルツハイマーの予防にも効果があるんじゃないかということで研究が進んでいます。

例えば、アメリカで、アルツハイマーの患者124名に、
MCTオイルを毎日20g摂取した群と、
通常の長鎖脂肪酸を毎日20g摂取した群とで、
90日間かけて調査した研究では、

MCTオイルをとっていた群は、血中のケトン体が増加して、

アルツハイマーの認知機能を評価するスコアでも改善され、
記憶力の低下も抑制されて、言葉の理解なども改善されたのに対して、

通常のオイルをとっていた群は、記憶力も言葉の理解度も進行が進んでいた、そんな研究もあります。

ボケ防止やアルツハイマーの予防に、このMCTオイルを少量でも取ることは非常に有効だと思います。

また、

ガン患者に対しての食事療法としての研究も世界中でされていて、

がん細胞は、糖質を栄養としているので、糖質制限をすることが有効だと言われてますが、
実際に日本での研究でも、ケトン食を、ステージ4のがん患者に取らせた研究では、

QOLを下げることもなく、病態コントロール、がんの縮小ともに、効果があったという研究もあります。

それだけで治るかどうかっていうと、どうなんだろうとは思いますが、予防という意味でMCTオイルを普段から取るというのは有効なんだろうなと思います。

ちなみに、先程、中鎖脂肪酸は、炭素の連なりが12以下のものって言いましたが、

ココナッツイオルには、炭素の連なりが、
8個の、カプリル酸、
10個の、カプリン酸、
12個の、ラウリン酸
とあるんですが、

この中のラウリン酸は、中鎖脂肪酸の中でも一番長い炭素の連なりで、これに関しては、中鎖脂肪酸としての働きは弱いと言われているので、

選ぶ場合は、このラウリン酸ではなく、他のカプリル酸やカプリン酸が多く入ってるものを選ぶのが良いみたいです。

ということで、MCTオイル、だいぶ有効ですよね。

認知機能の改善だったり、ダイエットだったり、
スポーツ時の栄養にも良いみたいですし、
痴呆の予防やがんの予防、
いろんなことに効果が期待できるので、

普段の生活の中でも取り入れると良いんじゃないかなと思います。

詳しくはyoutubeで解説してますので、こちらを見てくださいね。