とある本を読んでて、

僕が良く言う呪いの言葉ってのの上手い例があったので、ちょっと引用してみます。

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中学三年生の女の子と母親が、ある日、夕食をとっていました。
このお母さんは、とても観察力の鋭いお母さんです。
よーく娘のことを観察しています。
お母さんの観察によると、食事の際、娘さんは通常一分間に120回噛むと観察されています。
ところがその日、娘は90回しか噛みませんでした。
なんと25%も減っている。

ここまではいいのです。
これくらいの観察力を全てのお母さんに持っていただけると大変ありがたい話です。

しかし、お母さんは続けて、
「あれっ、どうしたの。食欲ないの?具合悪い?ムカムカする感じ?
そう言えばちょっと顔色も青いわね」と言うわけです。
で、娘さんはふと、
「そういえば、ちょっと、今日、食欲ないな」と気づくわけです。
そして、
「言われてみれば、確かにムカムカする。ここに食べ物が入っていく感じ。」
食べているのですから、ノドに食べ物が入っていく感じは当然あるでしょう。
「今日の夕ご飯はあなたの好物を並べたつもりなんだけど・・・おいしくないかしら?」とか言って、
お母さんも食べてみて、
「いつもと変わらないわね。味じゃないわね。何かあったの?学校でお友達に何か言われたの?」
それは何か言われてますよね。

すると、娘さんは考え始めるわけです。
「そういえば、A子ちゃんに何か言われたな。それはあまりいいことじゃなかった」
「そう。先生からも何か言われた?」
「うん、今日、指された。そのときうまく答えられなかった。
怒られたわけじゃないけど、ちょっと嫌みを言われた。」
それくらいのことは、何かしらあるでしょう。

さらにお母さんは続けます。
「あっ、そうか。あと1週間で期末試験だよね。今度、自信ないの?あなた、もう中三で、高校受験もあるし、期末試験くらいで緊張してご飯が食べられなくなっちゃって、あなたどうするの?困ったわね~」
お母さんが言っていることは、ある意味で事実です。期末試験が来週から始まるのも、そのことがちょっと不安なのも。
「今からこんなふうになってたら、本当の高校受験のときにどうするの?ゲエゲエ吐いて、試験にいけなくなっちゃったら・・・。勉強も大事だけど、何よりも体調管理が大事よ。今からこんなじゃ、大学受験になると、もっと大変になるのよ。ストレスで食事がノドを通らないようじゃ、いったいどうするの?でも、あまり焦らないほうがいいわね。ご飯なんて食べたくなかったら食べなくてもいいのよ。具合が悪いときは、パッと吐いちゃえば楽になるから」
とか言ってるうちに、娘さんはどんどん不安を高めていきます。
「確かにそうだ。高校受験どうしよう。大学受験どうしよう。今からこんなでどうしよう。吐いちゃえばいい?」
「うん。」
娘さんはトイレに駆け込んで、今まで食べていたものを吐いてしまう。

いつもだったら120回噛む娘が、その日に限って90回しか噛んでいなかったという、お母さんの観察は正しかった。
でも、その観察に「食欲が無い」「ムカムカする」「受験ストレス」などという言葉、意味付けを加えたわけです。
観察は正しかったけれども、そこにあてられた言葉が本当に正しかったのかどうかはわかりません。
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ちょっと極端な例と思うかも知れませんが、似たようなことは色んな所で起きてますよね。

なんの意味もないかもしれない事に意味を付け加えて、

な~んも意識してない所に意識をフォーカスさせちゃって・・・、

でも、意識してない行動よりも、それに対して意味を付け加えられちゃった言葉の方が圧倒的にその人の中に残るんですよね~。

で、場合によってはその言葉に支配されちゃったり。

でも、そうとう意識してないと、自分がこれやっちゃってたりします。

気をつけなくっちゃ!