久々に症例です。
と言ってもイマイチだった例ですが、僕が今まで経験した中でほとんどない変わった緊張の仕方をしていた方だったのであげてみます。
症例:20代 男性 仙腸関節部の痛み
症状(主訴):
腰痛
施術内容と経過:
最初腰痛という事で来院。
高校生のころから腰痛持ちで5年程前から痛みが酷くなりドクターショッピングで様々な整形外科や接骨院に行っていた。
仕事はライン作業で立ち仕事でかがむ姿勢が多い。
(土地柄ラインの作業員が来られる事は多いのですがあまり作業環境は良くないと感じてます。)
整体は今回が初めて。
痛みの部位は左仙腸関節部で、当初はヘルニアと診断(MRIでL4・5間に膨隆が認められ、軽いので手術の必要はないと診断されたとのこと)されていたが、色々と病院を回ったところ最終的に仙腸関節痛症(だったっけ?)という症状名を付けられたとのこと。
(多分困った挙句にそういう症状名を作ったんでしょうね。)
神経ブロックや、発痛部への局部麻酔注射(話から多分TPBだと思いますが、この辺りの病院でそれをやるところは聞いたことがないので実際はどうなのか?それをしてる病院があれば是非お友達になりたい。(^_^;))などを行うが効果無し。
あとは電気・温熱・マッサージをされるが良くならないという事で当院に来られました。
前後屈、左右屈で痛み、左右回旋では痛み無し。
仰向けに寝るだけで痛みが出る。
お腹は常に緊張していてガチガチの状態。
頭蓋も触ってみるとガチガチの状態。当然呼吸は感じられない。(痛みであまり寝られないとのこと。)
運動は痛みのため殆どしていないが、普段僕が家で行う事をアドバイスするようなことはほとんど自分で行っているという事でした。
(歩行とかラジオ体操などの簡単な全身運動とか岩板浴とか・・・。)
全身硬直していて緊張が取れない(力を抜くことが出来ない)状態でしたが、仙腸部以外の硬直している部分を触っても痛みを感じれる状態。
(筋肉の質的にはマッサージ慣れしているような感触でしたが感受性は落ちていないのか?ただ痛みの受け取り方が普通の人と違う感じでむしろ過敏になっている状態のような気がしました。)
まずは全身の緊張レベルを下げることを目的に、全身を順番にGP法でゆるめていきました。
この時、普段は押さえた痛みが感じなくなる場所に持って行ってから行いますが、普通だと痛みがなくなる場所に持って行っても緊張感は無くなるのに痛みは残ったままという状態でした。
しょうがないのでそのポジションでGPして再度確認すると痛みのレベルは下がってるという感じでした。
そのため普段は感覚を出来るだけ共有することを目的に痛みの度合いを確認しながらGPしていくのですが、手の感覚で緩む場所を見つけてという感じで行いました。
ある程度緊張レベルが下がったところで本体(と思われる?)の仙腸関節部へ。
操体法のカエル足のような形で仙腸部の痛みの取れるところを見つけ(この状態で痛み10->0)、そこでまずはGP。
その後確認すると10->6位とのこと。
さらに普通に操体法で普通に行うように緊張させて脱力。
これで6->4位に。
ただ、この時点で患部に熱感を感じたので、やりすぎると後が困りそうなのでこの辺りでやめました。
(SCSでこの部分の痛みそのものは取れそうな気がしましたが、他の場所もガチガチなのにそこまでやってしまうと多分違う問題が出ると思いやめました。多分これは正解だったと思います。)
再度関連してそうな場所をGP主体でゆるめてから確認。
痛みは残るがだいぶましとのこと。
さらに、キネシオを張り再度確認。
(この時、今まで何軒も整形や接骨院に行っててもキネシオもアイシングもされたことがないって聞いて実は驚いた。ありえん。)
最初は左の仙腸関節に張りましたが、そうすると左の痛みは軽くなるが今度は右が痛くなるとのこと。
そこで左右の仙腸関節にYの字に張って、少し引っ張った状態で左右の仙腸関節をまたぐ形で横に張ったところそこの痛みは本人に触ってもらって確認してもらっても最初痛かった場所が分からないというレベルまで痛みが緩和したようです。
ところが、今度は左仙骨下角辺りが痛むとのこと。
実は最初に全身を確認した時に尾骨周辺は気になったのですが、尻もちをついた等の記憶も無く痛みや違和感も無いとのことで今回は手をつけるのはやめようと後回しにした場所でした。
しょうがないので再度寝てもらってそこを足を使ってGPで解除。
10->4位まで。
ここで立って動作確認してもうすこし良くなったとのこと。
アイシングを家ですることをススメて施術を終えました。
う~ん、難しいですね~。
多分、何度か通ってくれる前提があれば仙腸関節の痛みはまずは無視して他からアプローチしますが、初めてで次回すぐには来れそうにないという人だとそうもいかないしね。(^_^;)