「夜中に1回くらいトイレで起きるのは、普通だと思っていました」
「年齢的なものもあるのかなって、そういうものだと思って諦めていて……」
約1ヶ月ぶりにケアにいらしてくださったSさんが、施術ベッドに腰掛けながら、少し照れくさそうにそう教えてくださいました。
「夜中に必ず目が覚めてトイレに行ってしまう」「朝まで一度も起きずにぐっすり眠るなんて、もう何年もできていない」と感じることはありませんか。
施術室での対話とからだの様子
Sさんはデザイン関係のお仕事をされていて、日常的にパソコンに向かい、目や頭をフル回転させていらっしゃいます。
「最近はぐっすり眠れていますか?」とお伺いすると、「毎晩、トイレで目が覚めて起きちゃうんですよね。でも、1回くらい起きるのは普通だと思っていて」とお話ししてくださいました。
お話を伺ってみると、手の関節の痛みは落ち着いてきたものの、右の股関節がしゃがんで立ち上がるときに時々痛んだり、首や肩がまたガチガチに固まってしまっているとのことでした。
お仕事柄、目からたくさんの情報を取り込み続けているため、ご自身でも「仕事のスイッチが常にオンになったままで、頭がずっと回転している気がする」と感じていらっしゃいました。
お布団に入る直前までお水を飲まれていたことや、サプリメントの飲み方なども含めて、夜中の水分代謝とからだのリズムについてお話を重ねていきました。
からだの状態を確認させていただくと、首や肩に強いこわばりがあり、お腹や尾骨のまわりにも緊張がぎゅっと集まっていました。
ベッドに横になっていただき、緊張をそっとほどくアプローチを行っていくと、
「さっきよりすごく柔らかい感じがします」
「肩がすごい楽です。スッとしました」と、こわばっていたからだがふーっと緩んでいきました。
「目を開けているだけでも、脳はたくさんの情報を取り込んで緊張してしまうんです。意識して目を閉じてみるだけでも、脳を休ませてあげることができますよ」とお伝えすると、Sさんは深く安心した呼吸になられていました。
施術を終えて立ち上がっていただくと、
「立った感じが軽いです!」
「すごく歩きやすいです」と、笑顔でからだの軽さを確かめていらっしゃいました。
からだで起きていたこと・安心を思い出すアプローチ
「夜中に1〜2回トイレに起きるのは、当たり前」
そう思って過ごされている方は、実はとても多くいらっしゃいます。
この年齢だから仕方がないと思われたり、「水分を摂っているから仕方がない」と納得させようとしてしまったり。
でも、からだが本当に安心して深く眠れているとき、からだの中では自律神経の副交感神経が優位になり、睡眠中は尿を作らないようにコントロールしてくれています。
夜中に目が覚めてトイレに行きたくなるのは、膀胱だけの問題ではなく、脳が「常に臨戦態勢(緊張モード)」のまま休めていなかったサインかもしれません。
お仕事で頭をフル回転させ、責任感を持って頑張っている方ほど、無意識のうちに脳のスイッチがオンのまま固定されてしまいます。
脳が警戒を解けないままでいると、自律神経が休まらず、眠りも浅くなり、内臓の水分処理もスムーズにいかなくなってしまうのです。
Ten整体院では、固くなった筋肉を力任せに押したり揉んだりすることはしません。
脳が「もう警戒しなくていいんだ」「安心して休んでいいんだ」と思い出すと、自律神経のバランスが自然と整い、夜も深く休めるようになっていきます。
夜中に起きるのが当たり前なのではなく、からだが安心を取り戻せば、朝まで途切れずに眠れるからだへと変わっていくことができるのです。
限界まで我慢するのをやめて、自分との信頼関係を取り戻す
毎日のお仕事や暮らしの中で、あなたのからだは常に気を張り巡らせ、あなたを支え続けてくれたのですね。
夜中に何度も目を覚ましてしまうほど緊張を抱えながら、懸命に走り続けてくれたご自身のからだに、「今までずっと守り続けてくれてありがとう」と、そっと声をかけてあげてほしいのです。
でも、「もうこれ以上、自分をすり減らすのは終わりにしたい」「自分との信頼関係を取り戻して、これからの人生を自分の足で自分らしく歩いていきたい」と願うなら、もう一人で抱え込まなくて大丈夫です。
どんなに少しずつだとしても、その変化の積み重ねこそが、あなたがあなたらしく生きていくための確かな土台になります。
正しいことをじっくり続けていけば、こころもからだも必ず応えてくれる。
私は、そう信じています。
