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「夏休みで子どもがずっと家にいて、普段ならドッと疲れていたはずなんです。それなのに、今回はその疲れが残らなくて……不思議すぎて、ずっと頭の上にハテナが飛んでます」

施術室の椅子に腰掛けながら、そう朗らかに笑って話してくださったAさん。

習い事の先生をされていて、日頃から生徒さんたちを明るく引っ張るお仕事をされています。

「朝起きたときの、あのずっしりした疲れが全然ないんです。何かがすっきりしていて、どこか整っている感覚がずっと続いていて……」

誰かの前に立ち、人を導き、エネルギーを届ける立場だからこそ、「疲れていられない」「元気にしていなきゃ」と、知らず知らずのうちにからだを限界まで使い続けてこられたのだと思います。

施術室での対話とからだの様子

Aさんが当院にいらしたのは、今回で2回目。初回の施術から2週間ほど経った頃でした。

初回にいらしたときは、長引く頭痛や肩こり、そして「朝起きても疲れが抜けない」という慢性的なだるさを抱えていらっしゃいました。

お話を伺うと、夏休みの忙しさの中でも、
「元のところがクリアになって、軸がここですよってゼロに近づいている感覚があります」
と、ご自身のからだの変化を繊細にキャッチしてくださっていました。

ただ、天気の崩れによる頭痛が少し残っていたことと、胸やお腹、鎖骨周りにまだぎゅっと力が入っているサインがありました。

施術ベッドに横になっていただき、首やお腹、肋骨のまわりなどをそっと確認していきます。

強く揉んだり、骨を鳴らしたりするようなことは一切しません。
ただ、からだが「もう戦わなくていいんだよ」と安心を思い出せるように、脳の奥の緊張スイッチを優しくゆるめていきます。

施術が進むにつれて、
「さっき痛かった首の横が、全然痛くなくなってきました」
「肩が、痛いというより気持ちいいくらいにゆるんでいます」
と、からだが少しずつこわばりを手放していきました。

起き上がって立っていただくと、
「頭がすっきりして、重かった頭痛がなくなりました!」
「全体的にすごく軽いし、すーっと鼻から深く息が吸えるようになりました」
と、晴れやかな笑顔を見せてくださいました。

横から見させていただいても、無理に胸を張ったり力を入れたりしていないのに、背筋と足元にスッと一本のまっすぐな軸が通っていました。

からだで起きていたこと・安心を思い出すアプローチ

朝起きても疲れが取れなかったり、一日中からだが重だるく感じたりするとき、私たちはつい「からだが弱ってしまったのかな」「もっと気合を入れて頑張らなきゃ」と思ってしまいがちです。

でも、本当に起きているのは体力の問題ではなく、「脳の警戒スイッチがオンのまま止まらなくなっていること」なのです。

お仕事で責任を持っていたり、子育てや家庭で周りを支えていたりする優しい人ほど、無意識のうちに脳が「私がしっかり支えなきゃ」「気を抜いちゃいけない」と24時間体制で警備モードに入ってしまいます。

警備モードが続いていると、眠っている間も全身の筋肉がぎゅっと緊張したままになるため、朝起きても「休まった感じがしない」という状態が続いてしまうのです。

Ten整体院で行っているアプローチは、固まった筋肉を力任せにほぐすことではありません。

安心できる優しい刺激を通じて、「今はもう安全だよ、力を抜いて休んでいいんだよ」と脳に伝えてあげること。

脳が警戒モードを解いて安心を思い出すと、指令を受けていたからだは、誰かに揉まれなくても自然とゆるみ始めます。
そして、緊張で固まっていた呼吸が深くなり、本来持っている自分自身の力で「自然な軸」へ立ち戻っていくのです。

限界まで我慢するのをやめて、自分との信頼関係を取り戻す

施術の後、Aさんとこんなお話をしました。

「誰かに何かを教えたり導いたりする立場の人ほど、実は『自分自身がどれだけ整っているか』が周りへの一番の影響力になるんですよね」

私たち整体師もまったく同じです。
技術や知識の前に、施術者自身がどれだけ整っていて、こころとからだに余白を持っているか。その状態そのものが、空間やお客さんに安心を届ける力になります。

誰かを大切にしたいと願う人ほど、まずは自分自身のからだを一番に大切にしていい。
限界まで倒れそうになるまで我慢してから駆け込むのではなく、「自分の命をご機嫌に輝かせていくため」に、日常の中でからだを労わってあげる時間を持っていいのです。

でも、「もうこれ以上、自分をすり減らすのは終わりにしたい」「自分との信頼関係を取り戻して、これからの人生を自分の足で自分らしく歩いていきたい」と願うなら、もう一人で抱え込まなくて大丈夫です。

どんなに少しずつだとしても、その変化の積み重ねこそが、あなたがあなたらしく生きていくための確かな土台になります。

正しいことをじっくり続けていけば、こころもからだも必ず応えてくれる。
私は、そう信じています。




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