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「前は1週間経つと、もうつらいなって思っていたのに……」

「今回は2週間近く経っても、思ったより大丈夫だったんです」

施術室のベッドの横で、ふっと表情を緩めながら、嬉しそうにそう話してくださったAさん。

以前は、強い痛みや重だるさに悩み、病院で五十肩と言われたりテーピングを試したりしながら、「何をやっても痛くてたまらない」と途方に暮れていた時期もありました。

施術室での対話とからだの様子

当院にいらした最初の頃は、施術を受けてから数日〜1週間ほど経つと、すぐに限界のつらさが押し寄せてしまう状態でした。

でも、今回は前回の施術から約2週間ぶりの来院。

最近の調子をお聞きすると、Aさんは少し驚いたような、安堵したような表情でこう教えてくださいました。

「ちょっと前までは、1週間経つともうつらくて限界だな、って感じていた頃のつらさと比べると、今は2週間経ってやっと『あ、少しつらいかな』って感じ始めたくらいなんです」

「腰も肩も、今は『少し違和感があるかな』くらいで、あの頃みたいな強い痛みはありません」

肩を動かしてみても「可動域も良くて、ひどい痛いとかはないですね」と笑顔がこぼれます。

「いい状態で保てるようになってきましたね」とお伝えすると、Aさんも深く頷いておられました。

実際にベッドに横になっていただき、からだの様子をそっと確認していきます。

最初にお腹や背中に触れたとき、Aさんは「くすぐったい!」と小さく身をすくめられました。

触れられたときに強くくすぐったさを感じるのは、神経が過敏になっていて、からだが「これ以上刺激が入らないように」と無意識に身を守ろうとしている防衛のサインでもあります。

首や肩、背中にも、長年の痛みに耐えて踏ん張ってきた緊張がぎゅっと詰まっていました。

当院では、痛いところを強くグイグイ揉みほぐしたり、無理に骨を鳴らしたりする施術は行いません。

「もう警戒しなくて大丈夫だよ」と脳に伝えるように、こわばりの緊張をそっとほどいていきます。

調整を進めていくと、先ほど「すごくくすぐったい」とおっしゃっていた場所に変化が現れました。

「……あ、さっきのくすぐったさが減ってきました」

「からだがふわっとして、柔らかくなっていくのが分かります」

首の張りや重さの感覚も、静かに調整を重ねるうちにぐっと和らぎ、最後には「痛みはほとんどないですね」と安心した息をつかれました。

施術後、ベッドから起き上がって立ち上がっていただくと、足元がどっしりと安定し、全身が心地よくゆるんだ笑顔を見せてくださいました。

からだで起きていたこと・安心を思い出すアプローチ

「以前は1週間もたなかったのに、2週間経っても大丈夫だった」

この変化は、からだの中でとても大きな一歩が起きているサインです。

痛みが強かったり、長年緊張が続いていたりすると、脳は「常に危険が迫っている」と錯覚し、警戒モードのスイッチが入りっぱなしになります。

警戒モードが続いていると、からだは少しの刺激でも過敏に反応して身を守ろうとするため、触られたときに強い「くすぐったさ」を感じたり、少し動いただけで全身に力が入ってしまったりします。

その状態では、いくら施術でからだを整えても、日常生活のストレスや疲れによってすぐに脳が警戒モードへと引き戻され、1週間も経たないうちにつらさを抱え込んでしまうのです。

でも、優しいアプローチによって脳に「ここは安全だよ」「もう戦わなくて大丈夫だよ」という安心の信号が届き始めると、からだは自ら緊張をほどいていきます。

脳が安心を思い出すと、からだは「心地よい状態」「余計な力が入っていない状態」を覚えてくれるようになります。

だからこそ、たとえ日常で疲れや負担がかかったとしても、以前のように痛みを長く引きずることがなくなり、ふっと安心できる状態へ持ち直す力がついてくるのです。

「1週間で限界だったのが、2週間保てるようになった」というのは、決して偶然ではありません。

あなたのからだが、本来持っている自己調整力と安心を、ちゃんと取り戻し始めている確かな証拠なのです。

限界まで我慢するのをやめて、自分との信頼関係を取り戻す

日々の忙しさの中で、私たちはつい「痛くなくなったら終わり」「痛くなったらまた何とかしよう」と考えがちです。

でも、本当に大切なのは、「痛みを我慢して限界まで耐えること」ではなく、「からだが安心していられる時間を、少しずつ育てていくこと」です。

以前よりもつらさを引きずる時間が短くなり、心地よい状態が長く続くようになってきたこと。
それは、あなたのからだがあなたに応えて、一歩ずつ前に進んでくれている証です。

でも、「もうこれ以上、自分をすり減らすのは終わりにしたい」「自分との信頼関係を取り戻して、これからの人生を自分の足で自分らしく歩いていきたい」と願うなら、もう一人で抱え込まなくて大丈夫です。

どんなに少しずつだとしても、その変化の積み重ねこそが、あなたがあなたらしく生きていくための確かな土台になります。

正しいことをじっくり続けていけば、こころもからだも必ず応えてくれる。
私は、そう信じています。




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