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「こんな日がやってくるなんて、思っていなかったんです」

「生まれ変わらないと寝られないのかな、生まれ変わったら寝られる人になりたいって思っていたけど……生まれ変わらなくても寝られたんだと思って、いつも感動していて」

施術室のベッドの横で、胸に手を当てながらそう教えてくださったTさん。

「夜なかなか寝つけない」「お薬を飲まないと眠れなくて、もう一生手放せないんじゃないかと不安になる」と感じることはありませんか。

施術室での対話とからだの様子

Tさんは20年以上の長い年月、眠るためのお薬を手放せない日々を過ごされていました。
「ずっと私はこの薬を飲み続けていくしかない」
「それ以外の選択肢なんてない」
そう思いながらも、いろいろな方法を試しては、もがきにもがいてきたと言います。

そんなTさんが、少しずつからだを整えていく中で、ある日「薬を飲まずに寝てみる」という選択をされました。
そして今では、お薬なしで朝までぐっすり眠れる日が当たり前のように続いています。夜中にふと目が覚めることがあっても、焦ることなく、すぐにまたすーっと眠りに落ちることができるようになったのです。

「薬を飲まずに過ごしてみるって、本当に勇気がいることだったと思います。それを選べたTさんご自身が、本当にすごいことなんですよ」とお伝えすると、Tさんは少し照れくさそうに、こう言われました。

「大きい奇跡だなと思って」

「奇跡をね、ご自身で起こしたんですよ」とお返ししました。

今のからだの様子を伺ってみると、以前はつらかった右膝の鉛のような重さも抜け、お風呂からあがった後も全身がずっとぽかぽかと温かい状態が続いているとのことでした。
時々感じる足の裏の違和感や、肩の重さなど、まだ気になる部分はありつつも、からだ全体の巡りは確実に変わり始めていました。

からだで起きていたこと・安心を思い出すアプローチ

なぜ、20年以上もお薬を手放せなかった方が、薬なしで自然と眠れるようになったのでしょうか。

眠れないとき、私たちのからだの中では「脳の警戒モード」が強く働いています。
日々の責任感やプレッシャーの中で、「ちゃんとしなきゃ」「しっかり支えなきゃ」と無意識に気を張り続けていると、自律神経は常に戦闘態勢(緊張モード)のままになってしまいます。
すると、脳は「今は休んではいけない危険な状態だ」と勘違いし、ベッドに入っても緊張を解くことができなくなってしまうのです。

それほどまでに長い間、からだが休む間もなく警戒モードを続け、Tさんを守ろうと必死に踏ん張ってくれていたのです。

Ten整体院で行うアプローチは、外から力で筋肉を揉みほぐしたりするものではありません。
「もう警戒しなくて大丈夫だよ」「ここは安全な場所だよ」と、からだに優しく語りかけるように緊張をそっとほどき、脳が本来持っている安心の力を思い出せるように整えていきます。

施術の最後に大きく息を吸って吐いていただくと、Tさんは驚いたように教えてくださいました。

「息が吸いやすくて、吐きやすいです。しっかり呼吸ができている感じがします。面白い……呼吸ができてるってこういう感じなんですね」

「それがね、本来のTさんのからだの感覚なんですよ。前より今のほうが、元々の自然な自分に近いんです」とお伝えすると、Tさんは深く味わうように、胸いっぱいに空気を満たしていらっしゃいました。
深く呼吸ができるようになると、自律神経は自然と落ち着き、夜になるとスイッチが静かに切り替わって、からだは自分から眠りの世界へと入っていけるようになります。

限界まで我慢するのをやめて、自分との信頼関係を取り戻す

「生まれ変わらないと眠れない」と思うほど、一人でもがき、耐え忍んできた年月。
それは、あなたが弱かったからでも、努力が足りなかったからでもありません。

どれほど眠れない夜が続いても、今日まで諦めずにご自身を支え続けてくれたからだに、「今まで守ってくれてありがとう」と、そっと声をかけてあげてほしいのです。

でも、「もうこれ以上、自分をすり減らすのは終わりにしたい」「自分との信頼関係を取り戻して、これからの人生を自分の足で自分らしく歩いていきたい」と願うなら、もう一人で抱え込まなくて大丈夫です。

どんなに少しずつだとしても、その変化の積み重ねこそが、あなたがあなたらしく生きていくための確かな土台になります。

正しいことをじっくり続けていけば、こころもからだも必ず応えてくれる。
私は、そう信じています。




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