最近書いてなかったですが、たまには真面目なネタを書いてみようかなと思います。

ということで、今回は「腰」について。

皆さん、「腰」と言った時具体的にそれは身体のどこの部分の事を言うと思いますか?

多分腰骨(ベルトを巻く高さ、腸骨稜)の後ろ側辺りだと曖昧に思うのではないでしょうか?

では具体的な場所ばどこでしょう?

腰椎でしょうか?それとも仙骨でしょうか?お尻ですか?それとも腰仙間接ですか?
どれも正解であり、どれも間違いなのです。

実は「腰」という具体的な場所は無いのです!

’この辺り’という曖昧な意味ではあると言えるのですが具体的に、解剖学的にココという場所は無いのです。ですから、逆に先にあげた部分全てが腰と言っても間違いではないのです。

では具体的な場所の無い腰に対して腰痛というのはどうでしょうか?

腰という場所が曖昧なためにいろんな種類の腰周りの痛みを腰痛と言っています。

腰椎や腰仙間接の異常による痛み、仙腸間接の異常による痛み、第11・12肋骨の異常や腰方形筋の異常なコリによる痛み、梨状筋の異常なコリによる痛みや坐骨神経痛、恥骨のズレ、鼠径部周りの筋肉群(腸腰筋群等)の異常なコリによる痛み、等々・・・

ざっと思いつくものを上げてみてもこれだけあります。細かい症状を含めたらもっとでしょう。

これら全てがいわゆる腰痛と言われるものです。

療術家は腰痛を見る時には相手に触れる事によってこの様に分類して順次不具合を修正していきますが、自分ではこれは出来ませんね。
ですが、実は腰痛を抱えている人の殆どに共通して言える事があります。

何だと思いますか?

その答えは、姿勢が悪いということです。

こう言いますと、自分は悪い姿勢など絶対にしていないのに!という人もいるかもしれません。また逆に、悪い姿勢と分かっていても仕事等で悪い姿勢で長時間過ごす必要がありしょうがないと言われる方もいるかもしれません。

ではここで、よい姿勢とはどんな姿勢を言うんだろうか?という事を考えてみましょう。

実は、多くの人がイメージしている「良い姿勢」というのは決してよい姿勢では無い場合があるのです。むしろ悪い姿勢をよい姿勢だと思って努力して取っていて、それが結果として腰痛等を引き出していることもあるのです。

私たちは子供の頃に体育の時間などで「きをつけ」という姿勢を習いましたね。

実はほとんどの人達には、あの「きをつけ」の姿勢が正しい姿勢だと物心付く前に教えられて、それが頭と身体の奥深い部分に根付いてしまっています。

「きをつけ」をする時には腰を少しそらすようにして、さらに胸を張るようにして顎を少し引いて・・・

そして、腰が痛い人はついつい楽になろうとしてそこからさらに「腰をそらす」姿勢をとる事がありますね?

確かにそうする事によって一時的に楽になったような気にはなるかもしれません。

ですが実はこれは腰痛を助長する悪い姿勢である事が多いのです。

良い姿勢というのを細かく文章だけで書くのは難しいですが、重力に対してどのように骨格が立っているのか?という事を考える事は大事な事です。

腰が痛いという場合、具体的にどこが痛いのか?を自分で分析して、その部分が、今の姿勢からどのように負荷がかかっているのか?と言うのを分析して見るというのは、腰痛対策の第一歩です。

じつはこの「重力に対して」と言う部分がミソなのです。

姿勢が悪ければ、ある一点に負荷が集中しやすくなり、その負荷のかかっている部分よりも上の全ての重さが、その負荷のかかっている場所に集中してかかってしまうわけですから。

重力と身体の関係を分析するなんて面倒だと思うでしょうが、もしも酷い腰痛などを抱えているのであれば、この重心と身体との関係をちょっとした解剖図などを眺めて想像して見ると良いかもしれません。