最近、いろんなところで話題になっているので「腸腰筋」という筋肉の名前を聞いたことがある人は沢山いるのではないでしょうか?

この腸腰筋、以前は深部筋としてあまり知られていませんでしたが、ここ数年の間に、ダイエットにも有効で、長寿の秘訣とも言われるようになってきましたね。

治療家の中にも(信じられないことに)知らない人も多いようですが、実は腰痛などの人に施術する場合にも非常に重要な筋肉だったりもします。

実際、腸腰筋の太さを計る研究で、長生きをしている人は統計的にこの腸腰筋が良く発達している人が多いという研究もあるようです。

実際に腰痛にも非常に関与しています。

また、腸や腎臓の後ろを通過しているので、便秘や下痢、その他の様々な症状にも影響を及ぼします。

この腸腰筋、実は「腸腰筋」という名前の筋肉があるわけではなく、腸腰部にある筋肉の総称であって、主に(一般的には)大腰筋、小腰筋、腰方形筋、腸骨筋の総称とされています。

この腸腰筋というのは、深部筋であり、普段の生活の中で知らず知らず使っている筋肉ではあるのですが、あまり上手く使えていない人もよく見受けられます。

それは、腸腰筋を使う代わりに表層筋である腹筋や大腿四頭筋などを使って腸腰筋の代わりにしてしまっている人がいるためです。

これらの表層の筋肉を鍛えすぎると、腸腰筋の使用を妨げる事にも繋がる事から、アンバランスに過度の腹筋やスクワットなどを行うとかえって腰痛を引き起こす事にも繋がります。

では、腸腰筋を良く使うためにはどんな事をすれば良いのでしょうか?

とっても簡単な方法、それは、歩く事です。

と一言で言っても、え~!って思うでしょうね。

その歩く時に、足の付け根が股関節では無く、「へそ」にあるとイメージして歩いてみてください。(腸腰筋はへそより少し上の高さ辺りまで伸びている筋肉です。)

それだけで、腸腰筋が(多少ではありますが)使えるようになってきます。

もう一つは、段差の低い階段をゆっくり上るという事です。

ところで、みなさんお遍路さんって知ってますか?

ここで一度、お遍路さんを想像してみてください。

階段などの段差のあるところを、ゆっくりと歩いてまわりますよね。

そして、無病息災等を願うわけですが、実際にあのような場所をあのようにのんびりと歩く事で腸腰筋が自然と使われて、健康になるという効果があるのです。

難しく考えずに、毎日少しでも良いですから歩く習慣をつけると良いですね。